
『電車男』の業務試写会に招いていただきました。一連の「電車男ブーム」って、背後に某大手広告代理店(業界2位の方)の匂いがぷんぷんで、心からコミットする気にはなれなかったんですね。試写会にご招待いただいたので「行きます!」ってなったものの、お金出してまでは……(ry みたいな。
エルメス役の中谷美紀はハマリ役だと思ったものの、このところのヤセっぷりが個人的には気になって正視できそうになかったし(失敬な)。「Key West Club時代のかわいさ加減はどこよどこよ?」てなもんで。
私が愚かでした。この大ウツケ者!
ヤヴァいです。ちょっといい話カモ~ンです。全方位的にかなりおすすめです。これホント。美紀タンが菩薩に見えます。
前半ガガガSP~と笑わせておいて、後半は韓流並みのベタさ加減で泣きの大団円にもっていく。有り体にいえばウェルメイドな話ではあるのですが、前半/後半のコントラストとか伏線の張り方がなかなかうまいのですよ。国内blog界(謎)でもおおむね好評のようで。
脚本は金子ありささん。『イヴ』『ナースのお仕事』『女子アナ。』『Stand Up!』などを手がける30代前半の若手脚本家です。今まで〈金子ワークス〉って心を込めて粗雑に視てたんですけど、『電車男』を境にちょっと見方変わりそうですわね。
7月からはドラマ版も始まるわけですが、なんですか、報道によりますと
「電車男」ドラマは女主人公-ヒロインに伊東美咲
ネット掲示板「2ちゃんねる」から誕生したベストセラー小説「電車男」が7月7日スタートのフジテレビ系木曜10時枠で連続ドラマになることが10日、分かった。オタク系青年と美しいOLの恋の行方を描く物語で、主演は伊東美咲(27)と伊藤淳史(21)。
(中略)
ドラマ化にあたり、フジは、電車男が恋し、オタク系の男たちが憧れる「エルメス」を主人公にスライドさせ、女性側の恋の葛藤や成長を丁寧に描くという。
セカチューやが!
若松プロデューサーは「原作の電車男のイメージは決して格好良い人ではないが誠実で好感が持たれる人。そのイメージを大切にして選んだ」。伊藤の身長は1メートル62で、美咲の方が9センチも高くドラマでは珍しい逆転カップル。
以上 SANSPO.COM 2005.5.10付
ラブ★コンやが!
あのストーリーを1クールに引き延ばすって……中だるみしなきゃいいんだけど。
それはさておき、エンドロールをマターリ見てたら、VFXのスタッフに大学時代の先輩の名前が出てまして思わずのけぞり。きっと、アキバの電光掲示板に
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
なんて文字を走らせてたんでしょうな。
©2005 映画 「電車男」製作委員会
東宝/フジテレビジョン/S・D・P/博報堂DYメディアパートナーズ
子育てに絡む報道二題。
市「誕生祝い金」復活
6月補正予算案 市民から要望受け
福井市は三十日、昨年末でいったん廃止した「誕生祝い金進呈事業」の復活を盛り込んだ六月補正予算案を発表した。市民からの要望を受け、同事業に一億八千七百五十万円を計上した。適用は一時廃止後の今年一月にさかのぼり、来年三月までに誕生した子供を対象とする。
(中略)
誕生祝い金進呈事業は少子化対策の一環として、第一子に三万円、第二子に五万円、第三子以降には二十万円を支給する。市会少子化対策特別委員会の提案などを受け、少子化対策の目玉として二〇〇一年から始められたが、三年後に慣例に従って政策評価を実施。〇四年度に「乳幼児医療費等助成事業」の対象を就学前児まで拡大したことなどを理由に、昨年十二月に廃止した。
福井新聞 2005.5.31付 p.24
(・∀・)イイ!
政策評価の過程では〈市民からの要望〉など拾い上げられてなかった――とも読み取れたりするんですが、何はともあれ復活はめでたいことです。それにしても、5万円から20万円って、指数関数的な増額ぶりがすげえな。グッジョブ!
続きまして、この記事。
育児支援:
母親の悩み聞く相談員を募集--県 /福井
福井県子ども家庭課は、少子化対策の一環として、地域住民からの子育てに関する悩みや不安を受け付ける、相談員・助言者を「子育てマイスター」として募集を始めた。6月30日まで。
核家族化に伴い、身近で気軽に相談できる人がおらず、悩む子育て中の母親を支援しようと県が考案した。マイスターは、保育や看護、保健など子育てに関する資格を持ち、地域で自主的に活動できる人が対象でボランティアが基本。
MSN-Mainichi INTERACTIVE 2005.5.30付
(・A・)イクナイ!
またぞろ、ソフトにお金かけないつもりですかああそうですか。マイスターですよ、親方ですよ、師匠ですよ。本気でマイスターに敬意を払うつもりがあるんだかないんだか。バッジョブ!
現知事のマニフェストにも盛り込まれてたし、いわゆる〈少子化対策〉にはさぞ力点置かれてるんだろうなあ……とフタを開けたらこれです。「じゃ、人材はいつものとおりボランティアで」と〈前例主義〉で決まっちゃった様子も想像に難くないわけで、ちょっと人的リソースを甘く見てんじゃねいか?と小一時間。だいたい、そんなに脆弱な予算基盤で大丈夫なんでしょうかね。福井県の少子化対策は。
5/27付けの書き込み、ベイビー・トーク1では、実家の母たちが使っている言語が、他の家庭では共通ではないことが判明しました。もしかして、私だけ?(だいたひかる風)と思いつつ、また今日も新たな言語を習得して参りました。
だめ → めんめ
拍手する → ちょちちょちする
うんちをする → うんこっこする
姪に向けて「ちょーちちょーちちょーち」と声をかけると、拍手でこたえてくれます。
三番目の「うんこっこ」は、森川家では頻繁に使用します。
赤サンの言語世界は、日本語でもなく福井弁でもなく、漢字でも平仮名でもなく、これまで習得した言語が通用しません。予想だにしない言語が飛び交う世界。第2の母国語なのかも。
裏方仕事でいっちょかみした、男子シンクロクラブ『海豚』の初公演@そうごスイミングクラブ を見てきました。あー、「フグ」って読んだそこのあなた! フグじゃないですイルカです。いくら字面がフグっぽいからって、それじゃかわいそすぎ。
メンバー8人という小所帯ではありますが
こんなワザとか
陸ダンスとか
カトちゃんとか
……を繰り出しまして、会場に詰めかけた人たちにも
バカ受け。(欽ちゃん風に)
『海豚』は、社会人+学生の混成チーム。妻夫木くんとか山田くんみたいに学校の後ろ盾があるわけじゃないんで、何よりも苦労するのは練習場所の確保。陸ダンスはともかく、水中リハはほんの数回しかできなかったそうです。決して恵まれた環境とはいえない中での初公演、大変さが報われてなによりなにより。おつかれさまでした。
この1週間、「たまひよクラブ」の読者投稿欄みたいなネタが続いたので(笑)、久しぶりにエディターらしいエントリーをば。しかしアレだ、「をば」って、ずいぶん死語っぽい表現だよな。
先日、ラジオスポットを聞いてましたら『京都の30歳!』という雑誌のタイトルが飛び込んできました。職業柄いろんな雑誌をザラ読みすることもあり、雑誌のタイトルに敏感になってるワタクシ、ここまで直球な誌名を聞いたのは『月刊 むし』以来でございます。
「自分らしい生き方・働き方をみつけるキッカケマガジン」との冠はついているものの、誌名を聞いただけで〈取材対象〉〈読者対象〉は一目瞭然。そのストレートぶりに感銘して、次の瞬間にはググってサイトにアクセス、お取り寄せ注文してしまった次第です。だって「4000部限定」とか書いてあるんだもんよ。限定モノには弱いのさ、ふん。

で、翌日さっそく送られてきた『京都の30歳!』第4号。編集長・宮崎健さんの直筆おてまみ(←亜土たん風)まで入ってたもんだから、俄然、読む気力が増しまして。〈雑誌ザラ読み〉が生き方の基本姿勢である中、久しぶりにじっくりと雑誌のページをめくったわけです。
「本文はひと回り大きい文字で組んだら?」とか「なんで人物写真を角丸にするさ?」とかツッコミつつ、メインコンテンツ『30歳! それぞれのWORK WAY』に突入。「京都の名もなき30歳の20人の『物語』」をなぞったインタビュー記事。各々6時間の取材と2時間の撮影というガチンコぶりもさることながら、描かれたテキストにやられました。26歳で就農した三崎要さん(京都府三和町在住)のエピソード読んでたら、思わずホロリときたのですよ。
いや、別に、これといって演出がかかってるわけじゃないんです。テキストそのものには。インタビューイから得た断片的な話を時間軸に沿って再構成する、きわめてオーソドックスな作り。脳内で田口トモロヲのナレーションをかぶせたくなるような、淡々とした語り口なんですね。仕事ではあまり使わない手法だけに、正直とっつきにくい文体といっても過言じゃない。
なのに、なんでホロリときちゃったのか。文体ですわ文体。
宮崎さんの手紙に「営業畑中心でしたので、編集については本当は素人なのです」とあったのですが、この文体、狙ってますよ間違いなく。誤解を恐れずにいうなら、雑誌業界的には誌面映え(ニュースバリューという言い方もできるかな)に乏しい「名もなき30歳」の人たち。インタビュアーの〈情〉をあえて絡ませないことで、インタビューイの持つ〈物語〉を際立たせてるんですね……と解釈したんですが、いかがでしょうか宮崎さん。
ひるがえって、見知らぬ誰かの心を打つテキストを書けているんでしょうかと自問自答。「世の中の人々を(いい意味で)躍らせ」たくてエディターの仕事を選んだワタクシの、永遠の課題です。
旦那の実家や私の実家にはジュニアの面倒をみてくれるおばさまがたが大勢控えています。
ジュニアや姪に対して、おばさまがたはそれはもうかわいがわりで話かけてくれるのですが、そのとき、ある特有の言語を発していることに気付きました。これは、私たちの周りだけの言語なのか、それとも福井県全域の共通言語なのか、はたまたある一定の世代に通用する言語なのか、そのルーツを探りたいくらいです。(探偵ナイトスクープ行きですかね)
お風呂に入る → おちゃちゃに入る
外に出る → おんもに出る
座る → ちゃんする、じゃんする
お化けが出る → ももかが出る
特に最後の「ももか」って一体ナンでしょう。おちゃちゃは近所のおばあさんにも言われました。
ジュニアに乳をやりながら、見てしまいました、戦隊モノ。
『魔法戦隊 マジレンジャー』でございます。
http://www.tv-asahi.co.jp/magi/top.html
レンジャーの由来をてっきり「本気とかいてマジと読む」(薬丸語録)、『本気レンジャー』だと思っていたのですが、マジックの“マジ”だったのね。
かつて『仮面ライダー龍騎』にはまりかけた過去をもつ私、同じニオイをマジレンジャーに感じてしまいました。出演しているイケメン兄ちゃん(しかしマジレンジャーの兄ちゃん達はイケメンとは言い難い)にハマルのではなく、その濃ゆいストーリー性と予想だにしない展開に。
まず、5人の設定が兄弟。新しい設定です、仲間ではなく兄弟なのです。ちびっ子に「僕も兄弟ほしーい」なんて言わせるのでしょうか。今どき5人兄弟というところに少子化対策への働きかけを勘ぐってしまいました。
変身道具は携帯電話。携帯電話をふりかざして「へんしーん」するわけです。これならちびっ子も携帯で遊べます。今日のストーリーでは、怪獣に飲み込まれた兄弟(グリーン、レッド、ブルー)に対し、助けに来たマジイエローがなんと電話をかけてました。「どこにいるんだよ!」「怪獣の腹の中だよ!」って、普通やられるだよ、喰われたら!
それを聞いたマジピンクが「まかせて!」と言って、魔法の呪文を唱えてなんとコショーに変身。怪獣にふりかけて‘ハックショーン’とさせて、ゲホッと吐き出させました。魔法が使えればなんでもアリになっちゃいました。
私の知る限りの戦隊モノでは、後半になると5人が大きくなってそれぞれパーツとなり、ひとつの大きなロボットに変身する、というのが定番と思っていましたが、マジ野郎は違います。5人が5人とも大きくなっちゃいました。テツ氏いわく「親に5体買わせる戦略だな」と。
敵役の出で立ちもすごい。ナイとメア(ナイトメアってわけですな)というふたりのゴスロリファッションのねーちゃんが出てきます。オタク道の人にはかなり萌えなコンビでしょう。公式HPには、ファンレターの宛先まで書いてありました。その道の人たちに受けを狙う製作会社の確信犯ぶりが見え隠れします。えへ、私は実はゴスロリ好き。黒のフリルとボンネットが可愛くってたまりません。
会話の中で、頻繁に「マジかよ!」とマジを強調するセリフが多いのがうざかったです。母として言葉遣いはきをつけてほしいわん。
あー早くジュニア大きくならないかな。戦隊ごっこするのに〜。でも戦隊モノ柄のTシャツは着させないよ。
ジュニア誕生、約50日が経ちました。たった50日だけど、お世話するなかで気になることが。ベイビーはテクニシャンだということです。
お乳をあげようと、服をめくりあげておっぱいを丸出しにすると、ジュニアは横目でじっとおっぱいの先をみつめます。
お乳をあげている最中、彼は乳首にフガー、フガーっと荒い鼻息をかけてきます。
さらにお乳をあげた後、げっぷをさせるため肩に頭をのっけると、ハァハァハァと熱い息を私の首筋にふきかけてきます。
次はどんなテクニックで、ママンを感じさせてくれるのでしょうか。
本日付(5/20)の朝日新聞に「ニッポン人脈記 女が働く」という連載記事が載っています。その見出しが
自由に産めない、なら起業
かなり同感。先日『アントレ』の取材を受け、自分が独立したきっかけを改めて振り返りました。いろいろ理由はあるけれど、そのひとつに“子育てを楽しみたい、でも仕事も続けたい”ってこと。会社員なら無理だけど、フリーランスなら時間のやりくりでなんとかできる…と。“ライフステージに合わせて働き方を変えることができる”と記事中の発言。まさにそうです。
赤ちゃんでいる時期なんてあっという間。一番かわいい時期にそばにいたい。なによりも、親の仕事をする背中見て育ってほしいのです。特に私たちのような「何をしているだろう」と思われる職種ではなおさら。
周りを見渡すと、結婚しても会社は辞めないけれど、出産したら辞めざるをえない人が多い。会社としても本人としても、なんともったいない。なんとかして続けられるように、という社会制度が未だないから少子化なんですよ。
男性の育児休業を推進しているようですが、現場としては、そんなことより、バカ高い保育料をなんとかしてくれ、というのが本音だと思いますが、お役所さん。
赤ちゃんの寝顔って、仏像に似ている。
どちらも見ていて飽きない。
「赤ちゃんの寝顔はお釈迦さんの顔と昔から言われているのよ」と姑に言われた。納得。
産んでから気付いたこと。
産む前はみんな一緒に見えた。
赤ちゃんの顔って、ひとりひとり全く違うのね。
打ち合わせを兼ねて福井市大和田近辺をクルーズ(っつーほどカッチョイイもんじゃない)しておりましたら、SINPOコード55555ばりのクリアさ加減で89.0MHzのデムパが入感。しかもチャイナ歌謡! 音楽はもとより、そのうちトークまで始まるありさま。なんだこれ~。
裏・大和田Radio本舗ですか? 事情通の方の情報プリーズ。
ふくい産業支援センターの「ITベンチャー交流会」にて尻合った、じゃなくて知り合った(←ベタな)リクルート『アントレ』編集デスクの増田紀彦氏。何度かメールをやりとりするうち、「じゃ、別冊『独立事典 05→06』の取材をひとつ」てな話になりまして、あれよあれよって間に取材日が来ちまったのでした。ドシー!(藤子不二雄的擬音)
この狭っくるしい仕事場にわざわざお越しいただいたのは、〈クインテット〉の名前どおり、増田氏を筆頭にライター・Sさん、フォトグラファー・Oさん。さらに、かのオーバーチュア社よりマーケ担当・KさんにエディターMさん。いやいや、よう来んさった。つーか、椅子足りんし! Kさんなんて、ウチの作業机に半ケツ状態ですわ。申し訳ないことこの上なし。
で、取材のテーマは「雇われない生き方」。
カウベル立ち上げに至った経緯を二人で話していったわけですが、互いに知らなかった事実さえもつまびらかになるという、なんともエッヂきわきわな大インプロビゼーション大会に発展。近日中にサイトウ×モリカワの遺恨試合が展開されそうな買い気配もありありです(笑)。
取材終了後、「仕事してるんてな~」写真を撮りたいとのことで移動したのが福井鉄道・田原町駅。「(アタシが着てた)ボーダーシャツと木造駅舎のコントラストがたまらんス~」と、Oさんのハートをぐわっしゃと掴んでしまったようで、クインテット+カウベル二人組がどっどどどどーどと田原町駅に繰りだしたのでした。「自転車置場とホームが同居してるのがいいよね」とは増田氏の田原町駅評。いや、福鉄は決してヨシとはしてないと思うんですがマッスー先生。

「仕事してるんてな~」絵柄を決めてる最中ナリ。

「脚立代わりのモノが欲しい」とのオーダーで、アントレ×オーバーチュア組がチャリンコ強奪中(笑)。

レフ広げてましたら某県内有力紙のクルマが突如登場。「映画の撮影やってるんですか?」 いや、そんなたいそうなことはしてないわけで……ごめんよ、暇ネタにならなくて。
取材を〈受ける〉側になることってほとんどないので、貴重な経験でしたわ。
カウベルもあちこち取材にまわるんですが、かなりの高確率でインタビューイから出てくるのが「こんな話で記事になるんでしょうか?」との質問。なんか、そう言いたくなる気持ちがちょっとわかりましたです。テーマに沿った話ができたかどうか、心配ですもん。
そんなわけでカウベルが末席を汚させていただく、アントレ別冊『独立事典 05→06』は2005年7月11日発売予定です。よろしければ、ゼヒ。

オープンから2年半。逃がしに逃がしまくっていた『アド・ミュージアム東京』(ADMT)をようやく攻略ほんやくコンニャク。公式ウェブサイトである程度の情報を得ていたものの、実際に足を踏み入れましたらばなんと! そこには、昭和好きのビートを激しくノックするフィーチュアがどっさり。
TVCFのアーカイブやポスター(『太陽に愛されよう』の実物、初めて見た)もさることながら、広告年表に付随して展示されてる〈昭和グッズ〉にはもう、ため息漏れすぎてアタマ真空状態に。よもや、『少年サンデー』創刊号 featuring 長嶋茂雄 をこんなところで目撃するとは。
「広告は時代を映す鏡」とはよく言ったもので、〈高度成長期の日本〉がここにはヤヴァいくらいに詰まってます。今回、余裕がなくて2時間ほどの訪問でしたが(それでも長い?)、放し飼いにしておくと朝から晩までいますぜワシ。なにせ昭和好きなもので。
……と、日記には書いておこう。

ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の『和田誠のグラフィックデザイン』。会場でキャプションを読んでいたら、こんな文面にあたりました。
1990年にかつしかシンフォニーヒルズが開館しました。ここには二つの劇場があり、両方のポスターをすべて手がけました。葛飾区は別の場所にもうひとつの劇場を建てて、そこのポスターも依頼されたので、すいぶん忙しかったです。
しかし、公共施設も時代の波をかぶります。自主公演が少なくなる上に担当者の移動があります。次に担当した人が公演やポスター制作などの文化活動に思い入れが強いとは限りません。ぼくが忙しかったのは、やはり10年ほどでした。
一流のクリエイターであっても同じような歯がゆさを感じてる、という話。
実に十数年ぶりに読み返している、猪瀬直樹『ミカドの肖像(上)』より。
「アインシュタインの相対性ッて何?」
寝台車の中で妻君が質問すると亭主は当惑顔で、
「マア、宇宙間の絶対的ッてやつを破つて、相対的だといふのさ、例へば、光線も絶対的直線ではない、運動も静止も相対的で、僕等は静止しているやうだが、この汽車が走つてゐるから絶対的静止ぢゃない。(略)僕が寝台の上の棚に寝てると、お前が見て上だと思ふ棚も、僕からは下にある訳だ」
「それぢゃつまり、貴方の物は私の物で、絶対的に貴方の物ではない。総て、相対的だと云ふわけね、私、アインスタインの説は大賛成よ」
猪瀬直樹『ミカドの肖像(上)』 p.197~p.198
ジャイアニズムだ!

▲ジャイアニズムの一例
©藤子プロ
生まれてこのかた……というのは言い過ぎにしても、少なくとも編集の仕事を始めてからは〈中黒三連打ち〉を禁じ手にしてきたアタシ。三点リーダーの代わりに中黒三連打ちなんて、組版のしきたりに即せばダメダメぽの大反則でしょう、やっぱり。鈴木一誌氏の『ページネーションマニュアル』に影響を受けたというのもあるんですけど。
というわけですので、原稿チェックで中黒三連打ちなんか見つけようもんなら、「書き手の承諾を得て原稿を直す」ローカルルールも、超法規的措置にてばっさりバサバサ容赦なし。そもそも、クライアント(新聞社や出版社など)からの指定がほぼ〈…〉〈……〉のどちらかだし。
相方がアップするエントリーでも中黒三連打ちがときどきあったりしまして、実は、すげえ修正したくてしょうがないんですよね~(笑)。まあ、そこはグッとこらえて、改行位置なんかも含め、blogでは原文ママで通すようにしてるんですが。
ということで、相方に聞いてみたんですよ。中黒三連打ちと三点リーダー、使い分けてるのかどうかと。いやあ、こんな答えが返ってくるとは予想してませんでしたわ。
文に〈タメ〉を入れるときは、三連打ち。
なおも、こうたたみかけるのであります。「1秒のタメなら三点リーダー、3秒のタメなら三連打ち」。さ、三秒ルールで決めてたとですか。わたし負けましたわ竹やぶ焼けた、軽い機敏な仔猫何匹いるか~!(©土屋耕一)
でも、この考え方も一理あるなあ。点と点とのアキで〈間〉を表現する、という手法って。中黒、中黒、中黒って並んでると、なるほど書き手が書き文字にこめた〈タメ〉が伝わってくるもんね。中黒の級数/ポイント数やアキを丁寧に整えるのを大前提にしつつ、「中黒三連打ち=イレギュラー」という認識に立って敢えて取り入れるなら、一つのテクニックとしてアリかもと認識を改めた次第でした。
とはいえ、「まず組版ルールありき」と「生理的に気持ち悪い」の理由で、個人的には中黒三連打ちはやっぱりイヤ~ンです。積極的に取り入れることはない・・・だろうな。うあ、使ってもたがの!(福井弁)
「アートディレクターが魅せる 文字・ロゴ・フォント」特集に脊髄かき回されて購入した(だいぶ前の話ですが)『デザインノート』#2。特集で紹介されていた岡本一宣氏の仕事を直に手に取ってみましょうぜ、と『花時間』を8年ぶりに買ってきました。ちなみにロゴデザインは松永真氏。

うわあ、ごっつ好きだわこのエディトリアルデザイン。
もう、ビシッとバシッとグリッドがキマりまくり。花の写真の美しさとあいまって、眺めてるだけで気持ちいいのなんの。なんで8年もスルーしてたかな俺。

「デザインが素材を汚さないよう、見えなくなるように気をつかっています。ただデザインを完全に消すと読者が飽きるので、かなり大胆なデザインをしているんですよ。花という誰が見てもきれいなものをオーソドックスに作りすぎると、ベタになってしまいます」
『デザインノート』 2005年2号 p.74
単にグリッドキメキメにしてるわけじゃないところが、『花時間』の奥深さですな。
デザインもさることながら、テキストの書き方にも特徴ありました。中でも際立ってたのが三点リーダー(…)の多用ぶり。「春。シャクヤクの パーティへようこそ!」という特集から、目についた見出しを拾ってみますと
風が心地よい
テラスで
楽しく尽きない
話をもう少し…。
夕暮れの色を
花に映しましょう。
気ままに
くつろげる
ワインコーナーに
花を1輪…
レストルームの
片隅にも
さりげない
あしらいを…
オフホワイトの
シャクヤクが主役。
シックに
大人っぽく…
ほかの特集でも、こんな感じで三点リーダーが大満開。ちなみにこの三点リーダー、Wikipediaではこう解説されてます。
二点リーダー(‥)、三点リーダー(…)
主に会話文の中で、「沈黙」や「絶句」などの言葉の「間」を表現する。特に台詞の最後では、一文をはっきり言い終わらず「言葉を濁す」表現になる。正式には「……」と二つ並べて用いる。また会話以外では、箇条書きの項目名と内容を繋げる記号、省略記号としての用法などもある。
この〈間〉の表現こそ、『花時間』の生命線なんでしょうね。軽快感を伝えるエディトリアルデザイン、余韻を残すテキスト。二つがうまく寄り添ってるからこそ、〈『花時間』的世界観〉がきれいに構築されてるんだと思います。ふだん、三点リーダーの多用を避けて原稿づくりしてるだけに、『花時間』のような文体はすごく新鮮にうつりました。
と、手放しでほめちぎりたいところなのですが、謎が一つ。p.28とp.29、それぞれに這わされた見出しより。
表はオレンジ、裏は赤茶・・・花向きを散らして両方の色を見せましょう
波打つ花を3輪ずつグルーピング。大きな1輪に見せて赤をより印象的に…
かたや中黒(・)の三連打ち、かたや三点リーダー。謎だ~。
なんとなく深いテーマをはらんでるような気がしますので、「中黒三連打ち×三点リーダー」については、改めて考察してみようかと。
©Kadokawashoten 2005
〈ヨコシマ族〉受難が続く、今日この頃のカウベル界隈。
そんな中、相方の目を盗んでというか〈鬼の居ぬ間の洗濯〉というか、SAINT JAMESの新作をオーダーしちゃいました~ました~ました~。一方的かつ暴力的な物欲番長モード発動です。目を盗むもなにも、blogにアップしてる時点で丸裸ですがね。
仏老舗ブランドSAINT JAMESにモデルの田中美保がボーダー3型をオリジナル別注!!
もともとボーダーが好きな美保ちゃんが色に形にとこだわりぬいて出来上がったのがこちらの3枚。パープルはカジュアルに、ブルーは大人っぽく、グリーンはデイリーにと用途もそれぞれ。ロゴにハートマークを施したブランドタグは美保ちゃんオリジナル!!
で、選んだのが『公園』と名付けられたこのモデル。

パープルを基調としたボートネックの長袖マルチボーダー。美保ちゃんの大好きなパープルを同色のグラデーションで使ったのがポイントだそう。
オーダーしたはいいんですが……「商品到着予定は2005年8月中旬~9月中旬です。」の一言で撃沈。
©2005 Sony Communication Network Corporation
ネタフルさんで捕捉した「室井佑月の文章術」というエントリー。
同い年ということもあり、その動向を横目でチラチラとチェックしてる室井佑月氏。その割にはマトモに読んだのは『Piss』だけだとか、RSSリーダーに『室井佑月blog』を登録してないとか、もうかなりの 水もれ甲介 by 石立鉄男 状態ではあるんですが、それはさておいて。
氏いわく、
まず、改行をあまりしない。「そして」「しかし」などの接続語を連発するのは素人臭いので、そういったとき改行を有効に使う。改行したら一文字空ける。
文章は短くすることを心がけるべし。主語がどこにかかっているのかわからないような文章は最悪である。
言い切ることを恐れるな。それがどんなに幼稚臭い言葉でも、悲しければ、悲しいと書け。嬉しかったら、嬉しいと書け。むかついたら、むかついたと書けばいい。正直な気持ちに人は打たれる。
とのことで、このあたりのテクニックは以前紹介(というか糾弾?)した『大人のための文章教室』とも共通してて、「うんうんそうだよねえ姐さん」と頷けたんですね。……が、これはいかがか姐さんや?と思ったのが
すぐれた読み物とは、どれだけ綺麗に日本語が書かれているかじゃない。日本語なんて間違っていたっていいんだ。それを直すのが仕事の編集者がいるんだから。ハートが読み手に伝わることが大事。格好をつけてはいけない。
うむむむむむ。
まあ、あながち間違いではないけど、「それを直すのが仕事の編集者がいるんだから」と作家センセイが言い切っちゃってよいのかしら。全身全霊を傾けて(大げさだけど)骨身削って産み落とした自分の文章、そんな簡単にホイホイいじられちゃヤだなあ、と思うんだけど。
辰巳 私が編集者に言いたいことは、原稿を簡単にいじらないでくれということですね。割に皆さん平気でいじるのはなぜでしょう。雑誌の編集者がいじるのと、単行本の編集者がいじるのとではまた違うんでしょうけれども、単行本の編集者でも、語尾や熟語の使い方を平気で変えてくる。
与那原 書き手のリズムなのにね。
辰巳 そういうところに鈍感な人は編集者やらないでほしいというぐらい腹が立ちますね。
『編集会議』 2004年12月号 p.24
石井政之氏・大泉実成氏・辰巳渚氏・与那原恵氏 座談会より
個人的には、辰巳氏の主張に激しく同意だなあ。
ライターとエディター。カウベルの場合、プロジェクトによって二つの配合比率が動的に変わるんですが、ことライターとしての立場から見ると、〈自分たちの知らないところで〉原稿がいじられるのはあんまり気持ちがいいもんじゃないですねえ。いじるんだったらせめて一言くれよ、と。いじった後のゲラが回ってこないことなんて、もう日常茶飯事だもんなあ。媒体が世に出て「うあ、いじられてますがね!」ってそこで初めて知る、みたいな。
エディターの立場になってみると、原稿をいじる(いじりたくなる)気持ちは理解できるんですよ。用字用語を統一するとか、媒体のクオリティを制御するとか、そもそも文字数が合わないとか、いろいろ理由があるだろうから。自分たちだって、ライターにお願いした原稿を「カウベルというブランド」で世に放つためのクオリティコントロールはしてるし。ただ、そういった作業を書き手不在でやっちゃうのはいかがなものかと思うわけで。
双方の気持ちがわかるもので、納品された原稿に不備があるとき、カウベルでは書き手の承諾を得たうえで手直しする(してもらう)ようにしてます。「当たり前だろ!」と思われるかもしれませんが、その〈当たり前〉がおざなりになってる業界だけに、辰巳氏もかなりオカンムリでいらっしゃるんでしょう。