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Nov 5, 2005

ある地方局幹部の視野狭窄症状

民間放送全国大会の開催を受けて報道された朝日新聞の記事より。
民放キー局のネット配信サービスにこと寄せて、こんな発言が見受けられました。取材メモが捏造されてない(笑)ことを前提に引用しますと。

 ネットでは会員登録の際に住所を入力してもらえば、会員がサイトを見るときに、その地域の広告が出るようにできる。地方局にすれば、広告収入を奪うライバルになりかねない。
 ある地方局幹部は「テレビは全国ネットワークで成り立っている。キー局が単独で広告と連動したサイトを作るのは言語道断だ」と警戒する。

朝日新聞 2005.11.4付

何を寝ぼけたこと言ってんだ。
キー局と締結している「ネットワーク基本協定」とか「業務協定」を盾にした発言なんでしょうけど、濡れ手で粟の〈ネット配分金〉を懐におさめつつ既得権益の上にアグラかいてるのは地方局の方でしょうに。視野狭窄も極まれり。だいたい、地方局の言う「視聴率三冠」なんてあおり文句の空虚なことったらありません。ゴールデン帯/プライム帯の番組作ってるのは誰だよ、って。

で。
この幹部氏、日本の民放テレビネットワークの歴史的経緯を認識されているんでしょうか。「国土をカバーする放送網の構築」が前提だったアメリカと違い、日本の場合は「ローカル局間のニュース素材交換」が発端だった、という事実についてです。結果としてそれがキー局を核にした5系列のネットワークに発展したとはいえ、本質を見ればローカル局の集合体でしかない(*1)。規模は大きくともキー局だって実はローカル局であるわけで、収益を上げる一つの方法として〈広告と連動したサイト〉を作るのは、民間企業としてはむしろ正しいあり方でしょう。それを何ですか、言うに事欠いて「言語道断」とは。やれやれですな。


そもそも、キー局や準キー局を除くローカル局のレゾンデートルに関する議論は、20年ほど前から「ローカル局炭焼き小屋論」(*2)として語られてたんですよね。今より資金が潤沢だったであろうバブル期に、機動力を伴った筋肉質の経営体質にしておけばよかったものを(その時間は十分にあったと思う)、銀行業界と肩を並べる〈護送船団〉であるのをいいことに、問題を先送りしてきたツケが一気に噴出してるだけのことじゃないでしょうか。もっとも、〈情報の全国均一化〉を旗印に置局政策を止めなかった郵政省が最大の戦犯でしょうけど。民力の低い県に三つも四つもローカル局を作ったところで、少ないパイをさらに食い合うだけのこと。後発局になればなるほど営業力も乏しく、ネット配分金依存型という〈いびつな経営形態〉の傾向が強くなりますからね。


しょうがないんじゃないですか。放送業界にも、銀行業界みたいな〈合従連衡祭り〉がいよいよ訪れるのを覚悟しないと。はっきりいって民放テレビ局多すぎ。「県益のために」という地方局設置の理念が、長らく続くキー局依存体質で有名無実化しているのですから、CATV業界とかIT業界も巻き込んで再編を図るべきでしょう。コトはホリエモンとかミキティだけの話じゃないと思いますよ、対岸の火事みたいに眺めてるみなさん。


(*1)日本でもアメリカのようなネットワーク構築の話がなかったわけではなく、「日本テレビ放送網」という社名にその名残を見ることができます。伝え聞いた話によると、いずれ軍事転用もできるような構想もあったとか。
(*2)事実上〈キー局の地方中継所〉と化している地方局が、BS/CS放送やCATVの登場で存在価値を失い、山奥の炭焼き小屋のごとく細々と孤立しかねないという主張。

author : カウベルてつ
テツ編の実録オトコの3600秒 | Nov 5, 2005 11:28
 

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コメント

公共システムはもう一度作り直した方がよいですね。
輸送・銀行・通信・放送・新聞・出版・教育・そして地方自治そのもの
どれも時代の流れを先読みして10年先~100年先までを見越したシステムが必要とされていると思います。
とはいえ、少子化が問題視される中での人材確保は難しくなるかもしれませんね。

posted by: だいちゃん : Nov 7, 2005 08:39

> 少子化が問題視される中での人材確保は難しくなるかも

御意、ですね。
加えて、今後加速するであろう〈下流社会〉の拡大再生産も
人材確保をさらに難しくするのではないかと思います。

ちょっと話はそれますが。
仕事柄、経営者に話を伺うことも多いんですけど
「いい人材がいない」とみなさん異口同音におっしゃいます。
で、「求める人材像は?」と問うと、これが単純で。
「あいさつがきちんとできて、好奇心旺盛なら十分」だと。
そんなことすら備わってない人間が量産されてんだ、と
経営者の嘆きを聞くたびに、感じますね。

今後、この状況が好転することはほぼないでしょうから
(下流社会が拡大再生産することの帰結として)
〈そんなことすら備わってない〉人間を標準と捉えた
人材確保の手法が求められるかもしれません。

posted by: カウベルてつ : Nov 7, 2005 12:40
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