かねて、当ブログでも「福井市出身の中村優子さんが出てんだから、上映しなきゃウソだろ~」みたいな感じで言及していた、矢崎仁司監督作『ストロベリーショートケイクス』。ようやく福井で上映! 初日舞台あいさつあり! というわけで、観てきました。
Y!のユーザーレビューや各種のブログでは、男性諸氏のウケがイマイチなようで出来を懸念してたんですが……これイイ! 刺さった! わりと女脳な36歳牡牛座♂のツボがグイグイ捺されましたです!
中村優子さんの美しさは言わずもがな、なんですが、個人的にすっげえ共感できたのが、岩瀬塔子さん演じるイラストレーターと、高橋真唯タン演じる莫迦編集者のやりとり。シナリオふうに書くと、こんな感じ。
○塔子の仕事場
塔子、制作依頼を受けたイラストを編集者に見せる。
編集者、受け取ったイラストを軽く一瞥。
編集者「けっこう……いいですね」
面くらい、二の句が継げない塔子。
編集者「それじゃ、失礼します」
編集者、仕事場を立ち去る。
なんだこりゃ。
評価の言葉が「けっこう……いいですね」って、子どものおつかいかコノヤロ。受け取るだけ受け取ったら、軽く世間話するでもなくさっさと帰りやがって。そのうえ(ネタバレ御免)その原稿、ラーメン屋に忘れてくるかフツー?
書いた(描いた)ものがまず、最初の読者である編集者からどう評価されるんだろう……というのは、作り手ならすごく気になるところ。たとえ、その評価が酷評だったとしても、作り手は〈反応〉を知りたがってるものなんです。
(蛇足ながら、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』に登場したプロ編集者・石原正康氏〔幻冬舎常務取締役〕は、「書き上がった原稿は、とにかく褒める」を信条となさっていましたね。それも、一つの考え方として素敵だと思います)
あ、高橋真唯タンには何の罪もありません。『シムソンズ』でもかわいらしかったし。
えーっと、言いたいことはそうじゃないのだ。
発注元に原稿を納めても、「良かった」でも「悪かった」でもなく、「受け取りました」の連絡すら寄こしてもらえないのって、ふだんの仕事でもよくあるコトなんですよ。だから、「けっこう……いいですね」という反応に面食らう様子とか、原稿を紛失したのにロクに詫びの言葉も入れない、あまつさえ「チャッチャと代わりのイラスト描いてよ」みたいなこと言う莫迦上司(またもネタバレ御免)の言葉に、「泣いて謝ってくれたら何度でも描いてやるよ!」と吐きながら苦しむ様子って(塔子は過食症という設定です)、作り手として
すげ―――――――共感
する次第でして。他山の石というか、反面教師というか、こんな莫迦編集者にだけはなるまい、と。このやりとりって、岩瀬塔子(というか魚喃キリコ)さんが、コミック作家として実際に体験したことなんだろうなあ。推測だけど。
ちなみに。
上映後のパーティ(ご招待いただいた関係各位に感謝)で一緒になった、NHK福井放送局のKディレクター情報によると、「映画版って、原作とぜんぜんオチが違うんですよ」とのこと。moji cafeに置いてあるそうなので、今度行ったときに読んでみよう(←買えよ)。
これであなたも“牛通”に! 世界の「牛ニュース」(β版)
恥ずかしながら、いまこの映画の存在を知ったのですが、魚喃さんのなんだね。高校生のときを思い出します。なんだかきゅん、というかいがいにぐさというやつ。映画の仕上がりもそんなんかな?
posted by: あいです : Dec 18, 2006 11:24> きゅん、というかいがいにぐさ
あ、そんな感じですね。
加えて、「あ、それ、あるある~」みたいな〈日常のあるある感〉も描かれてて。
ただ、原作の世界観が好きな方に言わせると「どーも違う」らしいので、まったく別物としてご覧いただいた方がよろしいかと。
posted by: テツ編 : Dec 18, 2006 11:55