カウベル・コーポレーションのブログ COWBELLog

Aug 15, 2007

辛口健在

芥川賞受賞作掲載号だけはきちんと購入してる(失敬)『文藝春秋』。
当然、買ってきましたよ。今売りの2007年9月号。

『文藝春秋』2007年9月号

芥川賞掲載号で楽しみにしてるのが、選考委員の選評。特に、石原慎太郎・村上龍両氏のそれは毎回、辛口も辛口、ときに激辛モードになることも。ワタクシ、この辛口ぶりにいつも期待しているクチでして(受賞された方には悪いですが)、前回受賞作の『ひとり日和』で、両氏がいつになくマイルドな選評を書かれていたのには驚愕の念を禁じ得なかった次第なんですよ。だから、辛口選評だと「おお、今回も辛口健在」とそれだけで安心してしまうという(ずいぶん言っちゃうなあ、俺)。


ということで、『アサッテの人』の選評は、といいますと。

今回の候補作の大方は読者の代表の一人たる私にとっては何とも退屈、あるいは不可解なものでしかなかった。
(中略)
 大体、作品の表題がいい加減で、内容を集約表現しているとも思えない。自分が苦労?して書いた作品を表象する題名も付けられぬものにどんな文章が書けるものかと思わざるを得ない。曰くに『グレート生活アドベンチャー』、『アウラ アウラ』、『わたくし率イン歯ー、または世界』、『オブ・ザ・ベースボール』、『アサッテの人』。いいかげんにしてもらいたい。
(石原慎太郎氏 選評)


キタッ! 辛口健在!


山崎ナオコーラ氏の『人のセックスを笑うな』が候補に挙がったときも、一瞥して、


いいかげんにしてもらいたいッ!


と思われたんでしょうかねえ。


さて、やおら読み始めた『アサッテの人』。
冒頭における、メリハリというかキレの弱さに「生理的に受け付けないタイプの文体かも……」と一度は挫折したものの、覚醒しているタイミングを見計らって再チャレンジ。挫折してしまったのがウソであるかのように、サクサク読めるじゃないですか。

〈作者の持って回った技法は私には不明晰でわずらわしいものでしかなかった〉(石原氏)、〈さまざまな意匠で飾られ彩られているが、装飾を引き剥がすと「コミュニケーション不全」と「生きにくさ」だけが露わになる〉(村上氏)――の選評に納得しつつ、不覚にもココのくだりで吹き出してしまった。

↑のナゾに迫りたい方は、今売りの『文藝春秋』を、ぜひ。
ちなみに、覚醒状態で一気読みしたら小一時間で読み終えることができました。「自分自身にも〈アサッテ的なもの〉が少なからずあるなあ。いや、これって誰にでもあるんじゃないか?」と共感しながら読めたところもあったので。小説を書くプロセスを小説化している展開も個人的には参考になったし。「へえ、こうやって小説って創っていくものなのか」と(もちろん、これが一例に過ぎないことは承知の上で)。


それはさておき。
「ポンパ!」という言葉を聞いて、真っ先にこっちの方を思い出しちゃうのは、やはり昭和好きだからしょうがないんでしょうか。

author : カウベルてつ
テツ編の実録オトコの3600秒 | Aug 15, 2007 16:37
 

これであなたも“牛通”に! 世界の「牛ニュース」(β版)

コメント

うちにもあったので、パラパラ読みしてみました。

あの変な図?とか、受け付けない系でしたんで、途中挫折組です~。

もいっかい読んだら覚醒する・・・かな?

posted by: taka : Aug 18, 2007 01:32
コメントする




メールアドレスは非公開で、管理人にのみ通知されます





名前、アドレスを登録しますか?


コメントスパム防止のため、本文中に「、」「。」のいずれかが含まれていないと投稿できません




カウベル・コーポレーション 会社案内リンクバナー
Powered by
Movable Type 3.151-ja

Title photo by
stoolhog ©2010
Banner photo by
Marcusrg ©2006