2月15日、吹雪の中、福井市東郷にある、版画の摺師さんの工房にうかがいました。福井大学の湊先生と学生、そして私とレオ社長、総勢11名で押しかけました。
レオ社長の表敬訪問。摺師さんの椅子にどっしりと座り、勝手に摺師気分を味わう、の図。
レオ社長を抱く摺師の助田憲亮さん。 画家・靉嘔 (あいおう)の版画の摺を担当して40年。靉嘔の虹色の作品を見たことがある人は多いことでしょう。作家が原作を描き、摺師と呼ばれる人が実際に刷っていくのです。
助田さんは、他の作家さんの摺はほとんど請け負わず、靉嘔のみだそう。お宝を見せてください、と言ったら、靉嘔 のおっぱいの掛け軸を見せてくれました。虹色の輪が素敵なおっぱいでした〜。
助田さんは、私がライターとして初めてインタビューした方のひとり。現代美術に関わっている人に取材ができると思っていなかったので、うれしい反面緊張したことを覚えています。それから10年来のお付き合いで、葉書や年賀状のやりとりを重ねていました。しかし工房を訪ねるのは、あの初取材から2度目。懐かしい感じです。
シルクスクリーンの仕組みをレクチャー中。かなり大きな装置です。でも結構アナログ。
何万枚も一度に刷る印刷とは違い、手作り手押し手干しの作業。工房内には隠し部屋(というほどでもないが)があって、版作りをする部屋があります。
靉嘔 の般若心経をモチーフにした版画作品を前にしてレクチャー中の助田さん。
気が遠くなる作業の話をしています。例えば1作品に24色使う場合、版画の「版」を24版作ります。それを100枚刷る場合、24×100枚=2400回、同じ作業を繰り返します。
18作品必要であれば2400回×18作品………となるわけです。
般若心経の屏風作品は、丸3年かけて制作したものだとか。
中央にいて、生徒たちに説明をしているのが福井大学の湊七雄先生。版画家としてヨーロッパ諸国で活動され、近年日本に戻り、縁あって福井大学にいらっしゃいます。いつも生のヨーロッパ美術(学校)事情を話してくださり刺激的。湊先生は、助田さんの工房で「普段使わない脳を使った!」とかなり興奮気味でした。
帰りに、カウベルには感涙もののお土産をいただきました。近々、事務所にてお披露目します。
ご自宅兼工房は、とっても使いやすく設計されてました。摺師でない私たちも、これは使いやすいだろう!と肌で感じるほどの、動きやすく機能的な作り。でもってどこかお洒落な雰囲気。
世界の名作は、福井の九頭竜川沿いの、ちいさな神社の横の白い工房で、生まれているのです。
これであなたも“牛通”に! 世界の「牛ニュース」(β版)
いいですねー。アトリエ訪問なんて。私も参加して普段使ってない脳を使いたいー!カウベル主催で年に何回かアトリエ訪問ツアーみたいなのやって欲しいなー
それに、次の記事のおばちゃん達と一緒にユーモアあふれる福井弁に浸かって、おいしい昆布巻きの作り方教室があるなら、是非参加したいでーす。
アトリエツアー&福井弁で学ぶ料理教室、なかなかいいですねえ。イベント案、ありがとうございます。料理教室はアオッサあたりでできるかなー。アトリエは誰のところに押しかけようかのう。
posted by: かうべるりこ : Feb 24, 2008 16:53はじめまして。
4/5~7 茨城県のアートフェスティバルで(行方アートさんぽみち)、靉嘔さんとの「二人展」をすることになりました。
古刹の西蓮寺で、彼の屏風と、天遊の古代文字アートで。
靉嘔さんのことを調べていたら、ここに。。。
どんな屏風がくるのかな(^^)
楽しみにします。
天遊さま
はじめまして。
コメントありがとうございます。
靉嘔さんと二人展だなんて羨ましい!すごいですね。
私は靉嘔さんの作品は目にしていますが、ご本人に会ったことはないのです。
文字を扱っている天遊さんの作品は、きっとよいコラボレーションになると思います。またおたよりください!