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[第四章]
『レオナルド』と名付けられたカエルくんは、こうして私と寝食をともにするようになりました。

あるとき大学の研究室に顔を出すと、なんとそこには同じカエルくんが!! さらに友人宅に遊びに行くと、またもや同じカエルくんが!! そう、カエルくんは私の友人たちにも買われていたのです。

研究室にあるカエルくんは、座禅できるくらい手足をひっぱられていました。
[第五章]
私が大学を卒業し、いよいよ地元・福井へいやいやUターンすることになったとき、当時の「人間の彼」は私に思い詰めた様子である言葉をつぶやきました。

「レオを……レオだけでも置いていってくれないか」

そのときの彼の表情とつぶやきは、今までにみたことのないものでした。

「……いやよ」
「どんなものでも持っていっていいから。あげるから。レオは……どうか……」

沈黙――。
「大事にしろよ」と彼は寂しそうな顔で送りだしてくれました。

レオナルドと私が去った2週間後、彼は神奈川・小田原から茨城までクルマを走らせ、レオを手に入れたトイザらスに行ったのです(片道4時間半)。「どうしてもそばに置いておきたい」という思いが、彼を向かわせたのでしょうか。もうひとつのレオナルドさんを購入したのです。

こうして生き別れというか、まだ見ぬもう一体のレオナルドさんが生まれたわけです。

しかし、福井のレオナルドさんは東京のレオナルドさんに出会ったことはありません。「いつか二人が一緒になったとき、レオナルドさんを会わせてあげよう」と誓ったあのときの二人ももういないから……。
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