『編集会議』休刊ですと!?

ミニレオ1号です。どーもです!

『編集会議』創刊号と一緒に記念撮影

『サイゾー』がソースという(ry ……な情報で、現時点で公式サイトでの発表も確認していませんが

"編集者のバイブル"もついに…月刊誌「編集会議」が休刊へ : 日刊サイゾー

 ”編集者のバイブル”として出版業界・Web業界に多くの読者を持つ月刊誌「編集会議」(宣伝会議)が1月31日発売の3月号をもって休刊することが明らかになった。

編集の仕事に関わっているものとしては、衝撃を禁じ得ないニュースですね。

もっとも、休刊やむなし……という印象を受けたのも事実でして。

記事によると8万部(公称部数でしょう)を発行してきたという同誌。創刊号から追ってますが、一人の作家を巻頭でフィーチュアするというここ数年の編集方針からは同誌の迷走ぶりを感じていて(スイマセン今日はいち読者視点で書きます)、購買欲がかなり薄れていたのです。

それと、カウベルの業務とも重なるのですけども。

〈編集〉という言葉に含まれる領域があまりに広すぎることも、同誌の目指す方向を見失わせた一因ではないかと感じています。たとえばこんな言説。

 さて、編集という言葉からもっともイメージしやすいのは本の世界だろう。しかし現在、編集という行為が出版界の独占物だという人はもはやいないのではないだろうか。編集の作業は、映画やビデオ、さらに広告やレコード(あるいはCD)などのメディアの世界ではすでに一般化しているし、昨今では「店内を編集しなおす」「棚を編集する」「集めたデータを整理・編集する」など、「編集」ということばは奥行きを増し、社会的な戦略やコミュニケーション・ツールとしてわれわれとの関わりを急速に深めている。
(西岡文彦 別冊宝島134『編集の学校』 p.2)

 料理を作ること、作った料理をテーブルにきれいに並べて家族といっしょに食べることも編集です。目的地を決めて、その道程を考えながら同乗者みんなで楽しみながら走るドライブも編集です。野球・サッカーといったチームスポーツはもちろん、テニスや卓球などの1対1の対戦型球技、相撲やレスリングの格闘技にも高度な編集が隠されています。そして、観客もそのスポーツ編集に参加しています。
 そもそも世の中にあるほとんどの情報は、なんらかのかたちで編集され、私たちは「編集された世界」の中で生きているのです、あれこれの情報が私たちにとって必要な情報になったものを一般には「知」と呼びます。多種多様な情報を自分の知とするには、それに合う方法・メソッドを持っていなければなりません。情報を「知」にしていくことこそが「編集」なのです。
(松岡正剛『プランニング編集術』 p.22)

ことは単純に「オフラインメディアかオンラインメディアか」というミクロな切り分けだけですむ話ではありません。西岡氏や松岡氏が言い当てている〈編集の本質〉を踏まえると、同誌のレゾンデートルはすごくふわふわした基盤の上に成り立っていたのではないかなあと、カエル……否、個人的に考え込んでしまうわけでして。いや、そんな基盤の上でまる9年も走り続けられたことは、むしろ尊敬に値する事業なのかもしれません(さっきは辛口コメントでゴメンナサイ)。

蛇足ながら、わたしと一緒に写っている同誌の創刊号(2000年4月号)。一部を紹介すると、こんなコンテンツでした。

  • トップインタビュー
    「編集者に求められる創造的野心」 猪瀬直樹
  • 特別対談「Webというメディアの可能性」
    糸井重里(ほぼ日刊イトイ新聞編集長)×原田永幸(アップルコンピュータ社長)
  • 「これから必要とされる編集者の資質」
    花田紀凱(メンズウォーカー編集長)/武田正彦(ホットドッグ・プレス編集長)
  • ベストセラーを生む書籍編集者になる
    「百匹の群れからはぐれた一匹の羊のために」
    幻冬舎:見城徹氏インタビュー

アップルコンピュータ社長……メンズウォーカー編集長……ホットドッグ・プレス編集長……(落涙)

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